必要経費とは一般的に、収入を得るために必要な支出です。
所得税法第37条第1項は必要経費を次のように規定しています。
その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るために直接要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。
引用元:所得税法
所得税法第37条第1項の規定だと、必要経費に算入すべき金額は別段の定めがあるものを除き、売上原価その他当該総収入金額を得るために直接要した費用の額とその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額であることがわかります。
したがって、必要経費とは何かを具体的に列挙して定義しているわけではないのです。
売上原価その他その総収入金額を得るため直接要した費用とは、例えば、卸売業の販売品に対する仕入れ品で、対応関係が明確なものと考えられます。
それでは、「その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額」とは何でしょう。
この条文を読むと、「業務について生じた費用」が必要経費に算入するための要件であることがわかります。しかし、この「業務について生じた費用」とは、どのような費用でなければならないのかは具体的な規定はありません。